令和4(2022)年度 東京都予算案に対する事務局長談話

掲載日:2022年2月2日

令和4(2022)年度 東京都予算案に対する事務局長談話

日本労働組合総連合会東京都連合会

事務局長  斉藤 千秋

 1月28日、東京都が令和4(2022)年度予算案を発表した。

 一般会計予算は、7兆8,010億円(前年度比3,760億円、5.1%増)と過去最大となり、うち一般歳出(政策的経費)は5兆8,407億円(同2,286億円、4.1%増)と4年連続の増額となった。都税収入は、企業収益の持ち直しによる法人二税の増などにより、5兆6,308億円(同5,858億円、11.6%増)と、3年ぶりの増額となった。基金残高は、1兆697億円(前年度最終補正後予算比4,808億円、31.0%減)となり、都債残高は、税収増を活用して発行を抑制し、4兆9,744億円(同5億円、0.2%減)となる見込みである。

 

 昨年11月、東京都による令和4年度予算に関する団体ヒアリングにおいて、連合東京は主に6つの要望を行った。

 連合東京が要望した①「雇用の改善・維持のための職業訓練・能力開発の拡充」について、東京都は、前年度に増額した雇用創出・安定化支援事業の41億円を維持、デジタル人材育成支援事業を13億円(前年度6.1億円)へ増額し、能力開発訓練、能力向上訓練、早期再就職緊急支援、業界連携再就職支援など、いずれの事業も予算を増額又は維持した。②「カーボンニュートラルの推進における『公正な移行』政策」に関しては、ゼロエミッション東京の事業として、モビリティ産業支援、経営推進支援を新規に計上し、技術開発支援も6.6億円(同2.4億円)へ大幅に増額した。但し、雇用の維持・確保等に向けた施策は具体的に示されていない。③「中小企業支援」については、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業を101億円(同56億円)へ大幅に増額し、予算規模の大きい中小企業支援制度融資等も3,270億円(同3,144億円)へと増額した。④「東京の医療・保健体制の確保」については、都立病院支援費等を499億円(同498億円)計上した。本年7月に都立病院・公社病院の地方独立行政法人化が予定されているが、都立病院が担うべき行政的医療の質・量の確保や提供体制の整備等のため、医療人材・スタッフの継続的な確保・育成が必要不可欠である。⑤「子ども・若者支援の拡充」については、受験生チャレンジ支援貸付事業を57億円(同11億円)へ大幅に増額した。自立支援事業に関しては、当事者、事業主体の自治体・施設の状況から支援の拡充が必要である。⑥「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会施設の有効活用と共生社会実現」については、新規恒久施設の大会後改修工事に58億円(同22億円)を計上し、パラリンピック1周年記念イベントや各種パラスポーツ普及事業を予定している。

 以上のとおり、連合東京が要望した政策の多くについて積極的に推進するものであり、評価する。また、複数の課題については、その解決に向けて継続的に対応を求めていく。

 

 連合東京は引き続き、コロナ禍により傷んだ経済、雇用、生活を立て直し、持続可能な経済社会を構築していくため、働く者・生活者の政策・制度要求の実現に尽力する。

以 上

 

[東京都令和4年度予算案概要]

令和4年度予算 | 東京都財務局 (tokyo.lg.jp)

 

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