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外国人技能実習機構
技能実習SOS・緊急相談専用窓口
Technical intern training SOS / telephone emergency consultation has been established.
※外国人技能実習機構のサイトにつながります
技能実習生の皆さん「殴られている」「強制的に帰国させられる」「事業主からセクハラを受けている」など、悩んだり、困っていませんか?
外国人技能実習機構(OTIT)では、そのような技能実習生の皆さんを母国語でサポートします。
相談事例
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CASE1
会社から、「解雇する」と言われました。辞めたくないのですが、どうすればよいのでしょうか。
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CASE1
会社から、「解雇する」と言われました。辞めたくないのですが、どうすればよいのでしょうか。
合理的な理由のない解雇は無効です。まず、解雇の理由について、文書等による説明を求めるとともに、退職の意思がないのですから、はっきりと就労の意思表示をしましょう。
退職条件を整えて確認書を作成し、退職に応じる選択肢もあり得ます。
1. 解雇
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法第16条)との法律があります。その他法令による禁止・制限(下の注を参照してください)がある場合の解雇は無効になります。整理解雇(リストラ)の場合も、①経営上の整理解雇の必要性、②解雇回避の努力、③人選の合理性、④手続きの妥当性(労働者との協議等)という「整理解雇の4要件」がすべて満たされなければ無効となります。
2. 解雇予告手当
また、会社は、労働者を解雇するとき、少なくとも30日以上前に労働者に予告しなければなりません。また、予告しないで解雇する場合は、少なくとも30日分以上の平均賃金(「解雇予告手当」といいます)を労働者に支払う義務があります(労働基準法第20条)。なお、使用者が解雇予告手当を支払えば解雇することが認められるわけではありません。しかし、解雇予告手当を請求することは解雇を認めたことになりますので、事前に連合東京にご相談ください。
3. 勧奨退職
会社が労働者に対して、解雇とは言わずに、退職を勧奨する場合があります。勧奨とは「辞めてください」というお願いです。勧奨退職の場合、退職金の上積み等の条件(退職日、退職金の上積み等)が提示されることがよくあります。また会社は、労働者が合意を拒んでいる場合、退職を強要してはいけません。
辞めたくないならきっぱりと断ってください。
退職届けを出す前に「退職日、退職理由、解決金等」について確認文書を作成し、退職する事もあります。
4. 雇い止め
雇い止めとは有期雇用期間の満了時に契約を更新しないことです。
契約が反復更新され、または契約が更新されると期待することに合理的な理由がある場合に、労働者が契約更新を申し込んだときは、申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、契約が更新されます。(労働契約法第19条)
5. 解雇禁止関連法
以下の場合、解雇することは違法です。
国籍・信条・社会的身分を理由とする解雇。業務上災害で休業している期間及びその後30日間(労働基準法)。労働組合員であること、組合に加入しようとしたこと、組合を結成しようとしたこと等による解雇(労働組合法)。性別、結婚、妊娠、出産、産前産後休業による解雇(男女雇用機会均等法)、育児・介護休業による解雇(育児・介護休業法)、公益通報したことによる解雇(公益通報者保護法)等。
6. 対応策
労働者は、まず、会社が「解雇する」、「辞めろ」という理由について、文書等による説明を求める(労働基準法第22条)とともに、退職の意思がないのですから、はっきりと就労の意思表示をしましょう。それでも、会社が理由を説明しない、理由が事実と異なり納得できない等のばあいでも、強引に辞めさせようとすることがあります。納得できないのに(あるいは条件が整わないのに)、口頭でも解約に合意し、退職届を出すのはいけません。
一般に、労働者は「解雇」、「辞めろ」と言われた場合、①不当解雇として争うか、②解決金等の退職条件を整えて退職することになります。
7. 連合東京
連合東京は相談員が相談に応じる他、団体交渉を行う、裁判するために弁護士を紹介することもできます。
個人で解雇を撤回させることや、確認文書を作成することはかなり困難です。どうしていいか分らないと迷っている、個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん、裁判所による地位確認・地位保全の仮処分、労働審判等の方法もあります。訴訟に関する相談は、法テラス等でも行っています。詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
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CASE2
会社が、賃金(月額給与)、残業・休日労働等の賃金を払ってくれません。どうすればよいのでしょうか。
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CASE2
会社が、賃金(月額給与)、残業・休日労働等の賃金を払ってくれません。どうすればよいのでしょうか。
まず、会社に対して、文書にて未払い賃金を請求します。記録があれば、過去3年分の未払い賃金の支払いを請求ができます。
1. 一般的な賃金
賃金の未払い(月額給料、残業代、休日労働、その他の手当、退職金等)は、労働基準法第24条違反です。賃金の時効は3年、退職金の時効は5年(労働基準法115条)ですから、過去3年分の未払い賃金の支払いを請求ができます(記録があるとよい)。
未払い賃金の額は、タイムカード、勤務表、個人のメモ等の就労実態を記録したものと、賃金明細等の既に支払われた賃金や支払い対象の労働時間が分かるものとを照合して算出します。
2. 残業代等
(1)法定労働時間(8時間)を超えた時間外労働や法定休日の労働については、法定割増率を乗じた割増賃金(同法37条)が支払われます。1日に8時間を超える労働を行った場合、使用者は2割5分以上の割増賃金を支払う義務があります。残業時間が22時から5時の場合は5割以上(所定内勤務の場合は2割5分のみ)、法定休日勤務の場合は3割5分以上です。
(2)1日8時間、1週40時間を超える時間外労働が、1ヶ月60時間を超える場合は、超えた分について5割以上の割増賃金の支払が必要です。
3. 最低賃金
2019年10月現在の東京都の最低賃金は時給1,013円(日額の場合は時給に換算。例年10月に金額が変更されます。)です。これに違反するものは差額の支払を求めることができます(最低賃金法第4条)。
4. 対応策
まず、会社に対して、文書等で未払い賃金を請求します。それでも支払われない場合は、所管の労働基準監督署に「申告」(相談ではありません)します。東京都労働相談情報センターへの相談、裁判所の少額訴訟、支払督促制度、労働審判等への申立て等の方法もあります。
なお、会社倒産による賃金不払いについては、Q10を参照してください。
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CASE3
会社が、「パートタイマーには、有給休暇はない」「有給休暇は取らせない」と言っています。有給休暇が何日あるのかも分かりません。有給休暇を取得したいのですが、どうすればよいのでしょうか。
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CASE3
会社が、「パートタイマーには、有給休暇はない」「有給休暇は取らせない」と言っています。有給休暇が何日あるのかも分かりません。有給休暇を取得したいのですが、どうすればよいのでしょうか。
会社は、労働者が請求した日に年次有給休暇を与えなければなりません。
1. 年次有給休暇
年次有給休暇は、6か月継続勤続し、全労働日の8割以上出勤した場合には、法律上当然に権利が与えられ(原則10日)、パートタイマー、アルバイト、派遣社員など、週の労働時間が短い労働者等についても、所定労働日数に応じて比例付与されます。有効期限は2年です。(労働基準法第39条、休暇日数は下表参照)
使用者である会社は、労働者が請求した日に年次有給休暇を与えなければなりません。労働者は事前に取得を申し出ることが必要ですが、利用目的は問われません。
但し、「事業の正常な運営を妨げる」場合に限り、会社は、年次有給休暇を他の日に変更する「時季変更権」があります。「事業の正常な運営を妨げる」とは、会社が努力しても代替要員が確保できず、誰が見ても会社が正常に運営できない具体的事情があることを指します。
なお、2019年4月から、年10日以上年休日数を有する者に会社は5日の時期指定することになりました(自ら取得した日数を除く)。
2. 対応策
まず、「使わせてくれなければ専門家や公的機関に訴える」等と言って、労使の話し合いで解決することが重要です。それでも、会社が応じず、個人で対応できない場合は、所管の労働基準監督署に「申告」(相談ではありません)します。行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん、既存の労働組合の団体交渉で解決できると思われます。連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉による解決方法もあります。
短時間労働者の週所定労働時間 |
短時間労働者の週所定労働日数 |
1年間の所定労働時間(週以外の期間によって、労働日数を定めている場合) |
継続勤務期間に応じた年次有給休暇の日数 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6ヶ月 |
1年 |
2年 |
3年 |
4年 |
5年 |
6年 |
|||
週30時間以上 |
10日 |
11日 |
12日 |
14日 |
16日 |
18日 |
20日 |
||
週30時間 |
5日以上 |
217日以上 |
|||||||
4日 |
169日~216日 |
7日 |
8日 |
9日 |
10日 |
12日 |
13日 |
15日 |
|
3日 |
121日~168日 |
5日 |
6日 |
6日 |
8日 |
9日 |
10日 |
11日 |
|
2日 |
73日~120日 |
3日 |
4日 |
4日 |
5日 |
6日 |
6日 |
7日 |
|
1日 |
48日~72日 |
1日 |
2日 |
2日 |
2日 |
3日 |
3日 |
3日 |
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CASE4
会社が、賃金を一方的に減額しました。どうすればよいのでしょうか。
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CASE4
会社が、賃金を一方的に減額しました。どうすればよいのでしょうか。
労働者の合意のない労働条件の一方的不利益変更は、無効になりますので、差額の支払を求めることができます。
1. 労働条件の不利益変更
賃金は重要な労働条件であり、その引き下げは、労働者にとって不利益変更になります。労働条件の一方的な不利益変更は、原則として許されません。労働条件を規定するものは3種類あり、法規範として効力が弱い順に、①会社と個々の労働者とで結ぶ労働契約、②会社が事業場全体の労働者について規定する就業規則、③会社と労働組合とで締結する労働協約があります。
①労働契約については、「合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」(労働契約法第8条)とあり、労働者の合意のない賃金その他の労働条件の一方的不利益変更は、無効になります。
②就業規則についても、一方的な不利益変更は原則として許されません。ただし、一定の場合には変更ができます(同法第10条)。なお、変更手続としては、会社は、過半数の労働者で組織する労働組合があればその代表から、なければ、労働者の過半数代表者から就業規則の変更について意見聴取を行い、周知、労働基準監督署への届け出が必要です(労基法90条)。
③労働協約(労働組合と会社で合意した内容を書面作成し署名又は記名押印した文書。労働組合法第14条)は、合意により改訂することができます。一方的な賃下げはできません。
会社が従業員多数の賃金を下げようとする場合は、まず、会社は、経営・財務の悪化状況等、賃金を下げる理由、役員報酬の削減や経費節減、新規採用の抑制等の措置、不利益を緩和する代替措置等を労働組合の説明し、合意の上賃金を引き下げることになります。
2. 対応策
個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん等の方法もあります。
詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。また、労働組合加入・結成については、連合東京へお尋ねください。
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CASE5
職場でいやがらせをうけています。どのように対処すればよいのでしょうか。
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CASE5
職場でいやがらせをうけています。どのように対処すればよいのでしょうか。
まず、いじめの内容を整理、証拠集めを行います。会社に対して職場環境配慮義務として、プライバシーや被害者の保護を前提に、加害者の当該言動の速やかな禁止及び加害者の処分(配置転換等)を求めます。
セクハラやマタハラについては、法律で禁止規定があります。かなり難しい相談の場合がありますので、専門家に相談されることをお勧めします。
最近は、いじめ・いやがらせ(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント等)職場の上司や同僚との間の人間関係における問題が増えています。
1. パワーハラスメント
パワーハラスメントは、法律上の定義や禁止規定はありませんが、①身体的な攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)、③人間関係からの切り離し(隔離、仲閒外し・無視)、④過大な要求(業務上不要、遂行不可のなことの強要)、⑤過小な要求(仕事を与えない等)、⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)が嫌がらせの典型事例です。
2. セクシャルハラスメント
セクシャルハラスメントについては、男女双方が加害者・被害者になりえます。セクシャルハラスメントは、言動を受ける側の労働者の「平均的な感じ方」が基準となり、対価型と環境型に大別されます。①対価型とは、被害労働者の意に反する性的言動への同労働者対応により、同労働者が解雇、降格、減給等の不利益をうけることを言います。②環境型は、被害労働者の意に反する性的言動により、同労働者の職場環境が不快なものになり、その能力の発揮への重大な悪影響、見過ごせない程度の支障が生じるものを言います。
男女雇用機会均等法(正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保に関する法律」)第11条では、事業主に対するセクシャルハラスメントの防止配慮義務を定め、厚労省指針が、配慮すべき事項を定めています。雇用管理上配慮すべき事項には、事業主方針の明確化と周知徹底、相談苦情への対応、事後の迅速・適切な対応等があります。配慮義務を履行しない場合、行政指導の対象となります。
3. マタニティハラスメント
結婚、出産、妊娠、育児介護休暇等に関する嫌がらせ(マタニティハラスメント)については、男女雇用機会均等法で、婚姻、妊娠・出産を退職理由とすること、婚姻を理由とする解雇が禁止されています。また、妊娠、出産・休業請求を理由に解雇や不利益な取り扱いを禁止しています(すべて同法9条)。
労働者(男女を問いません)が育児休業・介護休業や介護休暇を申し出たこと、休業したことを理由に、解雇や不利益な取り扱いを禁止しています(育児介護休業法:正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」10条、16条、16条の7)。
4. 対応策
これらの被害にあった場合、記録や録音をとること等証拠を残すことは大変重要です。事実を正確かつ具体的に説明できるようにします。他に被害者がいる場合、共に行動することが有効です。
次に、加害者に対して「やめて欲しい(言動が不快である)」と伝えます(もちろん、言えない場合もあります)。加害者及び会社に対して職場環境配慮義務として、プライバシーや被害者の保護を前提に、①加害者の当該言動の速やかな中止(禁止)及び②処分(加害者の異動等)、③相当程度の被害をうけ心身の傷病となった場合は、損害賠償等を求め、④労働災害を申請することもあります。また、ケースによっては、⑤相談苦情窓口やツールの設置、再発防止措置を求めます。
個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせんの方法があります。また、刑事罰や損害賠償を求めて、刑事及び民事訴訟を行うこともできます。訴訟に関する相談は、法テラス等でも行っています。詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
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CASE6
仕事中にけがをしました。治療をしている間、仕事ができず収入がありません。どうしたらよいのですか。
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CASE6
仕事中にけがをしました。治療をしている間、仕事ができず収入がありません。どうしたらよいのですか。
会社が一定額を労働者に支払い労働者の生活を補償すること等を義務付けています。労働災害に認定されれば、治療費(全額)、休業補償(給料の8割)等の給付が受けられます。
1. 労働災害とは
業務による負傷、疾病、障害又は死亡等を労働災害(以下「労災」)といいます。通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡等の通勤災害を含みます。
労働基準法は、労働者が労災に遭った場合、会社が労働者の療養費を負担すること、また、それが理由で働くことができずに賃金が受けられない場合に、会社が一定額を労働者に支払い労働者の生活を補償すること等を義務付けています(労働基準法第75~83条)。しかし、実務的には、労働基準監督署に労災の認定申請をし、労災認定されると、各種給付が受けられます。
労災認定には①業務遂行性と②業務起因性という2つの要件を満たすことが必要です。業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づいた事業主の支配下にある状態において発生した負傷・疾病等であることを言います。業務起因性とは、業務と傷病等との間に一定の因果関係が存在することを言います。
労災に認定された場合、労災保険により各種給付が行われます。労災保険は強制加入制度のため、事業主や労働者の意思にかかわらず、労働者を一人でも雇用するすべての事業主に加入が義務付けられています。労災保険料は事業主のみが負担します。給付には、治療のための療養(補償)給付(全額)、休業時の生活のための休業(補償)給付(給料の8割)があります。正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト等全ての労働者に適用があります。
また、療養を開始して1年6ヵ月経過しても治らない場合等に支給される傷病(補償)年金、治療後に障害が残った場合に支給される障害補償年金、障害補償一時金、障害特別支給金、死亡した場合に遺族に支給される遺族補償年金、遺族補償一時金、遺族特別支給金、葬祭料、一定の障害により傷病(補償)年金又は障害(補償)年金を受給し、現に介護を受けている場合に支給される介護(補償)給付があります。
2. 対応策
労働災害に遭ったのに会社が対応してくれない場合は、会社に労災申請を出すように依頼します。会社が対応してくれない場合は、会社所在地を所管する労働基準監督署に自分で申請することになります。労働災害の申請や保険給付に関することは、労働基準監督署までご相談ください。
しかし、会社が非協力的で困っている、過労死等長時間労働による労災認定や他の労働問題と関連している等で、個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん等の方法もあります。詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
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CASE7
派遣労働をしています。派遣契約、賃金等のトラブルへの対応を教えてください。
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CASE7
派遣労働をしています。派遣契約、賃金等のトラブルへの対応を教えてください。
派遣労働者には、派遣労働特有の問題がありますが、賃金、残業代、解雇、年次有給休暇、育児休業、保険への加入、解雇に対する規制等の労働法が適用されます。また、期間の定めのある契約を繰り返し、同一企業に5年以上勤務した方は、希望すれば期間の定めのない契約に転換することができます。
1. 派遣労働とは
派遣労働は、派遣労働者が派遣元と労働契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて働く関係で、労働者派遣法(以下「派遣法」)や、派遣元・派遣先指針が定められています。また、港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関係業務(例外あり)、弁護士・税理士等の業務は派遣事業を行うことはできません。
派遣労働には以下の特有の問題があります。
(1)就業条件等の明示
一般の労働者にも労働条件明示義務(労基法第15条)がありますが、派遣の場合は一般的な労働条件(仕事内容、就業期間、時給等)の他、指揮命令に関する事項、派遣元・派遣先責任者等を記載した書面の明示が必要です。
(2)派遣期間の制限
2015年9月30日以後に締結された派遣契約は、①派遣先同一事業所に派遣する場合及び、②同一派遣労働者の同一組織単位(課やグループ等)に派遣する場合は、限度が3年です。しかし、①について派遣先事業所の過半数労働組合の意見を聴く等の手続きをとり、②派遣労働者の勤務する組織単位を変えれば延長できる制度になっています(派遣法第40条の2)。
以下の方についての期間制限はありません。①無期雇用の派遣労働者、②60才以上の派遣労働者、③終期が明確な派遣労働者、④日数限定業務、⑤産前産後休業、育児休業・介護休業等の業務。
(3)事前面接等の禁止
一般の派遣は履歴書を求めたり、事前面接を行うことはできません(紹介予定派遣を除く。「打合せ」と称して事前面接を行なう場合がありますので注意が必要です。
2. 偽装派遣
形式的には請負契約の体裁をとりながら、実際には注文主が直接労働者に指揮命令を行う事(いわゆる「偽装派遣」)は違法です。派遣社員かどうかは、契約書ではなく実態で判断されます。
3. 無期雇用転換
また、2018年4月以降、2以上の有期雇用契約の通算期間が5年を超える労働者が申込みをした場合は、無期雇用に転換することができます(労働契約法第18条)
4. 対応策
例えば、3ヶ月の契約期間内に派遣先から出勤しないように言われた場合でも、解雇に当たる不都合な理由がなければ、派遣元との契約は有効です。派遣労働者は、一般に残余期間の賃金補償や新しい仕事の紹介を求め、休業が発生した場合は休業手当(給料の6割以上。労働基準法第26条)を求めることは可能です。
派遣労働はかなり難しい問題を含んでいます。個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、東京労働局需給調整事業部(03-3452-1472~4)、行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん等の方法もあります。詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
※このホームページで派遣労働について詳細に説明することは困難です。主な事項のみ紹介しました。連合東京その他関係機関に電話等でご相談ください。
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CASE8
パートタイム労働をしています。賃金や雇用問題、よく耳にする同一労働同一賃金について教えてください。
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CASE8
パートタイム労働をしています。賃金や雇用問題、よく耳にする同一労働同一賃金について教えてください。
パートタイム(短時間)労働者にも労基法等の労働法が適用されます。したがって、賃金、残業した場合の割増賃の支払、年次有給休暇の取得、解雇に対する規制等が正社員と同様に扱われます。また、期間の定めのある契約を繰り返し、5年以上の方は希望すれば期間の定めのない契約に転換することができます。その他「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(以下「パート法」といいます)の適用もあります。
1. 短時間労働者
事業主は、短時間労働者(以下「パートタイマー」と)言います)に労働条件に関する文書の交付を努めなければなりません(パート法第6条)。事業主がパートタイマーを通常の労働者の待遇と相違するものとする場合は、不合理と認められるものであってはなりません(同法第8条)。賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設その他の待遇について、差別的取り扱いをしてはなりません(同法第9条)。事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイマーの職務の内容、成果、意欲、能力、経験を勘案し賃金を決定するように努めなければなりません(同法第10条)。その他パート法により諸権利が守られています。
なお、東京都の最低賃金は2020年現在1,013円です。
2018年4月から法律が変わりました
また、2018年4月以降、同一使用者との2以上の有期雇用契約が通算して5年を超える労働者が申込みをした場合は、無期雇用に転換することができます(労働契約法第18条)。
一般に申し込んだ方が有利になりますので、分りにくいことがありましたら、連合東京にご連絡ください。
2019年4月から法律が変わります(同一労働同一賃金)
(1)不合理な待遇差を解消するための規定
事業主は、短時間・有期雇用労働者(以下「パート有期労働者」といいます)の基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、通常の労働者の待遇との間において、責任の程度、職務の内容及び配置の変更その他の事情の内、待遇の性質等を考慮し、不合理と認められる相違を設けてはなりません(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理に関する法律(以下「パート・有期法」といいます。第8条)。
事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一のパート有期労働者について、基本給、賞与その他の待遇について差別的取り扱いをしてはなりません(同法第9条)。
また、事業主は、待遇の相違について説明を求められたときは説明をしなければなりません。(同法第14条)
※このホームページでパートタイマーの問題について詳細に説明することは困難です。主な事項のみ紹介しました。電話等でご相談ください。
2. 対応策
パートタイマーの方が、残業代未払、年次有給休暇が使えない等の場合は、会社に請求してみましょう。一定の前進は見込めると思います。しかし、会社はパートタイマーにこのような権利があることを知っていながら、「うちでは制度がない」等の回答をしてくる場合もあります。
労働基準監督署、東京都労働相談情報センター等に申告、相談することにより解決することができます。
なお、パートタイマーの解雇、雇い止め(契約を更新しない)についてはQ1、同一労働同一賃金についてはQ12を参考にしてください。
3. 連合東京
解雇等困難な問題に遭遇した場合、上記の問題が解決しない場合等、個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、労働基準監督署への申告、行政(東京都、東京労働局)のあっせん、裁判所による地位確認・地位保全の仮処分、労働審判等の方法もあります。訴訟に関する相談は、法テラス等でも行っています。
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CASE9
労働組合について教えてください。
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CASE9
労働組合について教えてください。
労働組合の役割は、雇用・労働条件を守ること、そのためによりよい職場をつくることです。
使用者に対して、賃金・労働時間等の労働条件、雇用、配転、リストラ、いじめ(パワハラ、セクハラ等)、解雇などの問題を一人ひとりが個々に会社に要求しても、なかなか改善には結びつきません。また、一人で会社に要求するのはとても勇気がいることです。労働組合があれば、職場の様々な問題を会社側と対等な立場で交渉する権利が保障されます。また、職場全体の問題・課題については、労働組合と使用者の労使交渉や、職場活動による解決・改善が大変有効です。
労働組合の権利「労働三権」(団結権、団体交渉権、団体行動権)は、憲法第28条で保障されています。誰でも労働組合をつくれますし、加入することができます。また、労働契約や就業規則より有利な「労働協約」についても、労働組合だけが使用者と結ぶことができます。又、このような行動をとったことを理由に、使用者は解雇等・不利益な取り扱いを行うことは禁じられています。(労働組合法第7条)
労働組合の役割は、雇用・労働条件を守ること、そのためによりよい職場をつくることです。健全な労使関係を築き、組合の要求(低賃金、賃金不払い、長時間労働、いじめその他)を一つ一つ実現させて、より良い職場環境をつくり、企業や団体の健全な発展に努めることが労働組合の役割です。
連合東京は労働組合づくりを強力・積極的にサポートします。お気軽に相談員にご相談ください。
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CASE10
突然会社が倒産し、解雇されてしまいました。給料や退職金はもらえるか不安です。どうしたらよいでしょうか?
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CASE10
突然会社が倒産し、解雇されてしまいました。給料や退職金はもらえるか不安です。どうしたらよいでしょうか?
「未払い賃金の立て替え払い制度」があり、国(労働基準監督署)が賃金・退職金の一部を立て替えて支払ってくれる制度で支払われる場合があります。早期に労組を結成することは賃金確保に大変役立ちます。
倒産といってもいくつかの種類がありますから、倒産の後始末の形で対応が違います。
一般的には、解雇日までの給料の全額、退職金(以上は労基法上の賃金)、解雇予告手当、社内預金等が解雇された労働者の請求の対象です。
会社が倒産するのは資産よりも負債が多い場合です。賃金は、税金(社会保険を含む)の次の支払優先順位となっていますが、一般債権者が会社財産を先に持って行くことはよくあります。
1年以上にわたって事業活動をしている事業所について、退職前6か月の賃金及び退職金を国(労働基準監督署)が賃金・退職金の一部を立て替えて支払ってくれる「未払い賃金の立て替え払い制度」(下表)があります。
労働組合がある場合は、労働組合が会社と交渉することになります。個人でも対応は可能ですが、このようなことに周知している方は少ないかと考えます。上記立て替え払いの利用の仕方も、最終的に貰える金額に差が出ることもあります。連合東京に相談されることをお勧めします。
(未払賃金の立て替え払い制度の概要)
退職時の年齢 | 未払賃金の限度額 | 立て替え払いの限度額 |
---|---|---|
45歳以上 | 370万円 | 370×0.8 296万円 |
30歳以上45歳未満 | 220万円 | 220×0.8 176万円 |
30歳未満 | 110万円 | 110×0.8 88万円 |
なお、立て替え払いについては、最寄りの労働基準監督署に相談されることをお勧めします。ただし、この制度には、制限条項(業種・規模)にかかって適用されない場合があります。
連合ユニオン東京は、会社の取引銀行とのねばり強い交渉を通じて、この制度とは別に、未払い分を取り戻す取り組みをしています。
詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
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CASE11
配置転換を会社の上司から言われ、断ったら会社を辞めるように言われました。どうすれば良いでしょうか?
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CASE11
配置転換を会社の上司から言われ、断ったら会社を辞めるように言われました。どうすれば良いでしょうか?
配置転換は労働契約上の根拠があり、法令違反や権利濫用がないことが必要です。本人に無理と著しい不利益が生じる配置転換は、断る権利がある場合があります。
1. 配置転換とは
配置転換は、職務内容又は勤務地が相当長期にわたって変更されるものを言います。配転命令が有効であるためには、①労働契約に配転の根拠があり、②法令違反がない、③権利濫用がないことが必要です。
労働契約に配転の根拠があるとは、労働契約、就業規則、労働協約等に記載があるということです。職種や勤務地を限定して採用した従業員を一方的に他の職種や勤務地に変更することは違法です。
法令違反がないこと。組合活動妨害のための転勤(不当労働行為。労働組合法第7条違反)、男女差別、妊娠・出産・産前産後休業の請求を理由とした配転等は無効です。
権利濫用がないことが必要です。配転の業務上の必要性、人員選択の合理性、不当な動機がない、労働者の通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものでないこと等が必要です。裁判では特段の事情の有無も考慮されます。
なお、自分で違法な配転と考え、配転に応じないでいると、業務命令違反として解雇される恐れがあります。
2. 対応策
本件については、労働者は配転を断っており、会社は退職を求めています。かなり難しい問題であり、一人での解決は困難と思います。悩まず最寄りの労働組合、連合東京にお問い合わせください。
行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん、裁判所による地位確認・地位保全の仮処分、労働審判等の方法もあります。訴訟に関する相談は、法テラス等でも行っています。
詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。
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CASE12
働き方改革関連法が成立しました。これから職場はどう変わるのですか。パートタイマーや派遣労働者の労働条件はよくなりますか。また、労働者・労働組合はどのように対応したらいいですか。
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CASE12
働き方改革関連法が成立しました。これから職場はどう変わるのですか。パートタイマーや派遣労働者の労働条件はよくなりますか。また、労働者・労働組合はどのように対応したらいいですか。
2018年9月、働き方関連法が成立しました。労働時間や年次有給休暇、同一労働同一賃金等について2019年4月から法律が変わります。中小企業等では2020年4月、2023年4月、2024年4月施行の法律もあります。
1. 時間外労働の上限規制の変更(2019年4月1日施行。中小企業は2023年4月1日施行)
時間外労働の上限は、原則月45時間、年360時間となります(月45時間を超えるのは年6か月まで)。
臨時的、特別な事情で労使協定を結んだ場合は、単月100時間未満(休日労働を含む)、2から6か月の複数月平均で月80時間以下(休日労働を含む)、年720時間以下(休日労働を含む)です。
なお、月60時間を超える時間外労働について割増率は50%です。中小企業においては猶予されていますが、2023年4月から施行されます。
例外:以下については施行猶予、除外です。
自動車運転(2024年4月施行。上限は年960時間)、建設事業(2024年4月施行。複数月平均80時間、1か月100時間未満は適用外)、医師(2024年4月施行)、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業(2024年4月施行)、新技術・新商品等の研究開発業務(施行予定なし)
以上が説明ですが、月100時間の残業は過労死ライン(月80時間)を超えるもので大変問題があります。
2. 年次有給休暇の取得(2019年4月1日施行)
(1)計画年休
週5日勤務の労働者は、6か月経過すると10日の年次有給休暇(以下「年休」という)が付与されます。年10日以上の年休が付与される労働者に対し、事業主は毎年5日、時期を指定して年休を付与する義務があります。しかし、労働者自身が請求した日数は計画年休に含めます。(労働基準法第39条)
(2)年次有給休暇管理簿
表記管理簿の作成、3年間保存が義務づけられます(厚労省令)
3. 高度プロフェッショナル制度の創設(2019年4月施行)
職務の範囲が明確で、一定の年収(当面1,075万円以上)の労働者が、高度の専門的知識を必要とする業務(金融商品の開発、アナリスト、コンサルタント、研究開発等)で、年間104日以上の休日等の規制、本人同意、労使委員会の決議等を条件に、労働時間、休憩・休日、深夜労働の規制が除外されます。
4. 正規・非正規労働者の待遇格差是正(いわゆる同一労働同一賃金。2020年4月1日施行。中小企業への適用は2021年4月1日施行。)
(1)不合理な待遇差は禁止されます
事業主は、短時間・有期雇用労働者(以下「パート有期労働者」といいます)の基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、通常の労働者の待遇との間において、「職務の内容及び責任の程度、配置の変更の範囲、その他の事情」のうち、待遇の性質・目的を考慮し、不合理と認められる相違を設けてはなりません(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理に関する法律(以下「パート・有期法」といいます)第8条)。
事業主は、職務の内容及び配置の変更の範囲が通常の労働者と同一のパート有期労働者について、基本給、賞与その他の待遇につて差別的取り扱いをしてはなりません(同法第9条)。
また、事業主は、待遇の相違について説明を求められたときは説明をしなければなりません(同法第14条)。(注:2019年3月末で労働契約法第20条は削除され、同年4月から、パートタイム労働者と有期雇用労働者を一括規制することになりました。)
均衡待遇とは、①職務内容(業務の内容と責任の程度)、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情の相違を考慮して、不合理な待遇差を禁止するものです。
均等待遇とは、①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲が同じ場合は、差別的取扱いを禁止するものです。
同一労働同一賃金ガイドライン案によれば、「基本給」が、①職業経験・能力、②業績・成果、③勤続年数に応じて支払われている場合、①②③が同じであれば同一の支給を、一定の違いがあった場合は、その相違に応じた支給をしなければなりません。
また、「賞与」について、会社の業績等への貢献に応じて支給する場合、無期雇用フルタイムと同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給を、一定の違いがあった場合は、その相違に応じた支給をしなければなりません。
5. 派遣労働の整備(2019年4月1日施行)
派遣労働者についても、パート・有期労働者と同様な規定に整備されます。具体的には派遣先の労働者との比較が原則(派遣法第30条の3)ですが、労使協定による例外が認められています。(派遣法第34条)
6. 労働者、労働組合の対応
労働時間については、上限の時間が記載されています。使用者は安易に対象業務を拡大し、規制を緩やかにすることを求めます。時間規制の交渉の際は業務量や人員体制見直しを図り、なるべく低い時間の協定にしましょう。中小企業は2020年4月施行ですが、19年に交渉しましょう。適用猶予業務についても時間限度を基本に交渉しましょう。
今回新たに、時間外労働の延長限度の義務化、臨時的必要性ある場合の具体的明記、休日労働の時間外労働に算入、過半数代表者選出等も変更になりました。
7. 対応策
内容の詳細については、厚生労働省ホームページ等にありますが、2018年6月に強行採決により法律化されたばかりであり、同年10月現在では詳細について未定のものもあります。
かなり難しい問題もありますので、労働基準監督署等の行政機関にお問い合わせください。
トラブルについては、連合東京や行政(東京都労働相談情報センター、東京労働局)のあっせん、裁判所による地位確認・地位保全の仮処分、労働審判等の方法もあります。訴訟に関する相談は、法テラス等でも行っています。
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