ダイヤモンド・プリンセス号の運航会社カーニバル・ジャパン整理解雇事件、証人尋問へ

掲載日:2022年10月3日

コロナ禍で事業が停止した米国クルーズ船会社(ダイヤモンドプリンセス号等の運航会社)で、日本法人企業株式会社カーニバル・ジャパン(2020年6月22日時点において従業員67名)が、24人に退職勧奨して17人が退職に応じた直後、退職に応じなかった従業員を雇用調整助成金も利用せずに解雇しその内3名が連合ユニオン東京の組合員になり復職を求めた事件は、2020年8月提訴後、2021年秋ころより審理と並行して和解協議が行われましたが、原告らは復職を求めました。

会社は復職を拒否し、最終的に約2年分の賃金相当額の解決金支払いと陳謝の和解条項を提案しましたが、復職を認めない代償に相当する解決金には遠く及ばず、原告らが求める陳謝内容・方法は会社が拒否し、和解内容の口外禁止条項とこれに違反したときは解決金を返還することを和解条項に入れることを条件にしました。

和解協議は打ち切りとなり、次のように証人尋問を実施することになりました。

  • 10月13日(木)10時~16時 東京地裁510号法廷

会社の堀川悟社長、人事担当者、部門責任者2名の尋問

  • 10月27日(木)10時~15時、東京地裁510号法廷

原告ら3名の本人尋問

どなたでも傍聴することができます。

本件の主要な争点は、本件解雇がいわゆる整理解雇4要件に照らして有効か無効かという点ですが、とりわけ、解雇回避努力の点で、雇用調整助成金を利用せずに直ちに解雇を強行したことが許されるのかがポイントとなります。

 

コロナ禍における雇用調整助成金の特別措置は、多数の企業が雇用を維持するために利用しており、現在でも特別措置は継続されています。

 

コロナ禍で雇用調整助成金も利用せずに従業員の解雇を強行した本件解雇について、裁判所がどう判断するかが問われる重要な裁判です。ぜひご注目ください。

 

また、現時点での和解協議打ち切りに伴い2022年9月16日に、「公正な判断を求める」団体署名1,152筆、個人署名2,241筆を東京地裁に届けました。

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