すべての人に安心できる居場所づくりを~西北部ブロック地協 2022自治研修会~

掲載日:2022年10月3日

 2022年9月27日、西北部ブロック地協は『2022地方自治研修会』を開催しました。

 今年度の連合東京最重点政策は『生活困窮者の就労と生活の自立のために支援策を強化すること』として、対東京都、及び、西北管内各自治体への政策要求を行っています。

 よって今年は、『コロナ禍での生活困窮者支援の現状』をテーマに、NPO法人TENOHASIの清野賢司事務局長をお呼びし、ご講演をいただきました。

 

 「私たちが活動している池袋周辺にも、生活に困窮して家を失った方が多くいらっしゃいます。失業・家族と絶縁・病気や障がいなど、原因は様々ですが、共通しているのは孤立無援であることです。どの方も、安心できる家族や仲間とのつながりを失い、不安に押しつぶされそうになりながら、孤独に耐えてかろうじて生きています。私たちは、その方々と出会い、話し、一緒に考え、試行錯誤しながら、すべての人に安心できる居場所を作るお手伝いをしています。」と、冒頭、TENOHASIの活動と、団体が目指す地域社会の在り方について、お話しがありました。

 主な活動として、炊き出し、夜回り、生活支援等がありますが、特にハウジングファースト東京プロジェクトは、日本の福祉政策の基本にして欲しいと、強い想いをもって進めておられます。生活困窮者からの相談を受け、まずは安心できる個室居住を確保、その後、住民票、身分証、携帯電話を用意、雇用先まで繋げます。個の人権を守り居場所を作ることが自立への道に繋がる、と強く訴えます。

 また、池袋の路上生活者数は増えていませんが、コロナ禍になってからの炊き出しの利用者数は急増しています。これまでに見ない、女性、若者、親子連れ等、非正規雇用者の収入減少により貧困層が顕在化したとも言えます。

 参加者からの「連合に期待することは何か?」との問いに、清野事務局長からは「労働組合の組織率を上げてください。組織化されていない非正規雇用の方々へ広く門戸が開かれることを期待します。」と、ご提起がありました。全雇用者の4割が非正規雇用になった今日、その多くは生活に不安を抱えており、声をくみ上げるためにも労働組合の役割は大きなものとなっています。

 

 新型コロナウイルス感染症が未だ収束しない中において、今だからこそ、働くものの雇用の維持・安定、労働条件の改善に全力で取り組むことの重要性を認識しました。