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「西北ブロック地協2025男女平等セミナー」 ~ジェンダーの視点がこれからの災害支援のカギ~
掲載日:2025年9月4日
西北ブロック地協は、9月2日、池袋アットビジネスセンターにて「2025男女平等セミナー」を開催しました。このセミナーは、毎年、男女平等社会実現に向けた政策課題の共有、意識啓発を目的に、女性委員会と男女平等参画委員会の共催で開催しています。
今年は「ジェンダーの多様性の視点からの防災対策の必要性」をテーマに、埼玉大学ダイバーシティ推進センターの瀬山紀子先生にご講演をいただきました。
瀬山先生はまず、ご自身がこのテーマとの関りがいかにしてスタートしたかをお話ししてくださいました。「阪神淡路大震災発災時、社会、地域には既に多様な人たちが暮らしているにも関わらず『日本人』以外の人たちはいないことにされやすく、被災と重複した困難な課題が存在する状況を目の当たりにしました。また、避難所、仮設住宅等では、女性や子どもたちへの性暴力も多発しました。ネットワークを作り勇気をもって、性暴力は許さない!と告発しましたが、一部のマスコミから、被災地では性暴力があったという証拠はなく全て捏造である、といったバッシングも受けました。被災等の有事には、声をあげにくい状況に置かれた人に視点を置くことが重要と改めて感じ、加害者も被害者も出さない『ジェンダー平等の視点』に着目することとなりました」
先生は、講演の結びに「ジェンダー多様性の視点は日本の社会課題を捉え、未来を考えていく重要なカギとなると思います。子育て、介護、女性の自立サポート等、女性だけに任せておけばよい課題ではありません。つまり『災害・防災活動の場に女性を入れればよい』ということではないのです。災害時支援の担い手の労働問題(支援者が不安なままではよい支援が出来ないという意味)をきちんと考えていくことが重要です。災害・防災というテーマは、人とつながりがつくれるテーマだと感じていますので、引き続き、連合等関係者のみなさんと、このテーマを掘り下げながら、対話の輪を広げていければと思っています。」と力強いメッセージを発信していただきました。
先生が『社会連帯の必要性とその役割を担うのが労働組合』とおっしゃっていたことがとても印象的でした。今後もいつ起こるかもしれない大災害における『ジェンダー平等の視点』の大切さを改めて認識し、盛会の内にセミナーは終了しました。