西北ブロック地協「ボランティア視察研修会」の開催~復興に挑戦する人々との対話を通じた新たな学びの時間~

掲載日:2024年9月11日

 9月6日~7日、ボランティア委員と構成組織次世代メンバー、併せて17名で、福島県双葉町、大熊町、富岡町にて「ボランティア視察研修会」を開催しました。双葉町については、昨年に引き続きの来訪となります。

 

 6日は『ネクサスファームおおくま』にてファーム内清掃活動等、ボランティア活動を行いました。

ネクサスファームおおくまは、大熊町が100%出資する第三セクターとして設立され、2019年からいちごの栽培を開始しました。大熊町が目指すゼロカーボンの取り組みに基づき、環境に優しい再生可能エネルギーを使用しています。 大熊町はもともと梨やキウイなどの果樹の生産が盛んでしたが、東日本大震災後、屋外で生産するものは安全性の面で不確定な要素が多いため、復興の象徴として、いちごで特産品を作り、東北の被災地から新しい産業を発信していこう!と、取り組みをスタートされたそうです。「大熊町の発展のためにも、一翼を担いたいと考えています。まだまだ潤沢に労働力があるわけではないですが、多様な働き方に対応していきたいです。」と強く熱い想いを語る徳田工場長でした。

 

 その後、双葉町役場を来訪し、伊澤町長はじめ役場のみなさまからの温かいお出迎えに恐縮しきり。連合西北ブロック地協よりカンパ金を贈呈し、意見交換もさせていただきました。

 2011年3月、東日本大震災発生。双葉町は甚大な被害に見舞われました。さらに原発の事故によって、11年以上の長きにわたり、全町民が住み慣れた町からの避難を強いられることになりました。2022年8月、双葉駅周辺の特定復興再生拠点の避難指示がようやく解除されました。双葉町復興まちづくり計画(第三次)も策定され“町民一人一人の復興”と“町の復興”を基本理念に、双葉町の復興への歩みは加速しています。

 

 7日は、橋本双葉町総務課長、高萩双葉町議会議員、に双葉駅前広場、駅西住宅、旧双葉町役場、産業交流センターをご案内いただき、意見交換をさせていただきました。
 「東日本大震災被災で、7000人あまりいた住民の生活は一変しました。その後の11年以上の避難から、地域で人の営みを取り戻すことは、簡単なことではありません。長年風雨にさらされ獣に荒らされてしまった建物を取り壊し、放置され傷んだインフラをすべて作り直さなければならないからです。60キロ離れた福島県いわき市に主な機能を置いていた役場の本庁舎も、昨年町に帰還しJR常磐線双葉駅の西側に整備された災害公営住宅への入居も始まったところです。その戦略の中核をなすのが、企業誘致です。避難先から帰還してもらうためにも、新たな人を呼び込むためにも、基本的なインフラとともに、生活を成り立たせる「仕事」が不可欠。県内外の企業と立地協定を結び、多くの労働の場を用意しました。避難指示が比較的早く解除された自治体は、震災前の人口に近づきつつありますが、解除が遅れた自治体は被災から13年たった今でも1割ほどで、最後まで待たされた双葉町はわずか1%、厳しい現実です。」

 

 双葉町は『2030年までに居住者2000人』を目標に掲げています。以前とは違った形だけれど、ゼロから生まれ変わろうとしている新しい双葉町の姿。

 地震・津波・原子力災害という世界で類を見ない複合災害を経験した福島の『ホープツーリズム(=被災地地域のありのままの姿を体験するフィールドワークと復興に挑戦する人々との対話を通じた新たな学びの旅)』の取り組みを通して、希望に燃える双葉町のみなさんの新たな未来を共に考える、有意義で充実した2日間となりました。

 

 連合西北ブロック地協は、引き続き被災地への支援を継続して参ります。