連合東京ニュース

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2019.10.08
10/05 関東ブロック労働委員会・労働者委員の自主研修
   労働委員会・労働者委員は常に学習、労働事情に対応する!
    同一労働同一賃金へ不当対応 や 雇用類似で働く労働者をどう守る!


 新潟、群馬、埼玉、栃木、茨城、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡は、東京高等裁判所管轄地区、この11都県の労働委員会の労働者委員で構成するのが「関東ブロック労委労協」(菅谷代表幹事:神奈川県労委、傳田事務局長:東京都労委)。65人の労働者委員が各労働委員会で労働組合、組合員の権利を守る。
 今年の学習は、10/5(土)労働者委員、事務局職員で51名参加で連合東京会議室で開催した。
 講演「同一労働同一賃金への労働組合の課題」は、水町勇一郎・東京大学社会科学研究所教授。法施行は2020年4月からとは言え、既に労働契約法20条に関する正社員・有期社員間の不合理な待遇差の訴訟は絶えない。
 手当関係における問題はハマキョウレックス事件で最高裁で、その手当の性格により一つ一つ検討され、不合理なものは不法行為、損害賠償3年分の支給判決。皆勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当など同一の支給を判決、井関松山ファクトリー事件では高裁で精勤手当、住宅手当、家族手当の不支給も不合理と判決。他の事件でも「一時金」、「退職金」、「基本給」に一定の支給を命じる判決が高裁レベルで出されており、最高裁に上告されその判決の動向が注目される。
 この点、水町講師よりその動向や対応などが解説された。しかし、法施行の迫る中、最近の報道の中には、20%以上の企業が正社員の給与を調整(引き下げ)して対応せざるを得ないと回答している。労使合意のない待遇引き下げはガイドラインでも国会の大臣答弁でも「望ましい対応とは言えないことに留意すべき」というのみ。こうして生じうる労使間トラブルに労働委員会が持ち込まれると思われる。しっかりした真摯な労使協議を確保しなければならない。

 第二講座、日本労働弁護団幹事長・棗一郎弁護士は連合が支援する「ベルコ」(冠婚葬祭互助会)の事件と雇用類似の働き方における課題を解説。従業員に匹敵する者7,000名、社員はわずか35名、「偽装雇用」、業務委託・個人請負を濫用する不当なビジネスモデル。ベルコの「雇用」する者ではなく、労使関係はなく一切、団体交渉には応じないというもの。
 俳優など専門職種、自営大工職、製品メンテナンスなど業務委託型など古くからの問題に加えて、フランチャイズ型やクラウドワーカー型などが広がる中、労働者保護をはかる立法が必要だ。ウーバーイーツの労働組合結成も大きく報じられ多くの労働者を勇気づけた。今日、労働者性、使用者性を問う労働委員会事件が増加している。(公文教育研究所事件、セブンイレブン事件、ファミリーマート事件、バイク便・ソクハイ事件などなど)
 このベルコ事件、札幌地裁ではベルコの使用者性を認めない判決、一方、北海道労働委員会ではベルコの使用者性を認めたもので、現在、札幌高裁、中央労働委員会での審査の段階となっている。

 労働者委員は、学習会でこうした内容を把握、理解して多様化した事件の取り扱いを進めている。
(労働政策局長:傳田雄二)

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